HOME | 催眠術スクール | 古典催眠とは?|催眠術Blog

催眠術スクール&催眠術カフェ東京|催眠術体験できる場所
   
さあ 内なる旅に、出よう。
まだ知らない自分に催眠術で出会う

古典催眠とは?

古典催眠は、現代催眠やNLPに先立つ、催眠術の伝統的な手法です。この形式は19世紀に大きく発展し、主に強力で直接的な暗示を通じて催眠状態に導く方法が中心となります。ここでは古典催眠の基本、特徴、そしてその歴史的背景について解説します。
 

古典催眠の歴史的背景

古典催眠は、18世紀後半から19世紀にかけて、フランツ・アントン・メスメル(Franz Anton Mesmer)の「動物磁気説」に端を発します。メスメルは、見えないエネルギーを使って人々を癒すという理論を提唱し、その後の催眠術の発展に大きな影響を与えました。彼の理論は後に「メスメリズム」として知られるようになり、これは後の催眠術の基盤となります。
19世紀中頃には、ジェームズ・ブレイド(James Braid)が「催眠(hypnosis)」という言葉を初めて使い、催眠現象を科学的に説明しようと試みました。ブレイドは、メスメルの「動物磁気」の概念を否定し、催眠状態を「神経生理学的な現象」と捉えました。
 

古典催眠の特徴

  1. 直接的な暗示
    古典催眠では、施術者が被験者に対して非常に強い命令や指示を与えます。例えば、「あなたは今眠くなる」「あなたの腕は重くなる」といった明確で直接的な言葉で、被験者を催眠状態に導きます。古典的手法は、被験者に何かをさせる、あるいは感じさせるための直接的な暗示を多用します。

  2. 権威主義的なスタイル
    古典催眠では、催眠術師が絶対的な権威を持ち、被験者はそれに従うという構図が一般的です。催眠術師が強いカリスマ性や権威を持つことで、被験者の無意識に対して影響を与えることができると考えられていました。したがって、古典催眠では施術者の存在感や影響力が非常に重要とされます。

  3. 厳密な手順
    古典催眠は、非常に定型的な手順を踏むことが特徴です。施術者は、固定された一連のステップを使って催眠状態に導きます。多くの場合、被験者はリラックス状態に入り、施術者の言葉に集中し、次第に深い催眠状態へと進みます。

  4. 深いトランス状態
    古典催眠では、深いトランス状態に導くことが目的とされます。深トランスでは、被験者は外部の刺激に対してほとんど反応せず、施術者の暗示にのみ集中します。この状態では、催眠暗示に対する感受性が非常に高まり、施術者の言葉が無意識に深く浸透します。

 

古典催眠の応用

古典催眠は、以下のような用途で広く使用されてきました。

  1. パフォーマンス
    19世紀から20世紀にかけて、催眠術は多くのエンターテイメントの場で使用されました。催眠ショーでは、観客の前で被験者が催眠にかかり、さまざまな命令に従う様子が披露されました。このような催眠ショーは、現在でも一部の国で行われています。

  2. 治療
    催眠療法として、古典催眠は多くの心理的な問題の治療に使用されてきました。例えば、禁煙、体重管理、不安症、痛みのコントロールなどに効果的とされています。直接的な暗示を使用して、被験者の行動や思考パターンを変更することを目指します。

  3. 深層心理へのアクセス
    古典催眠は、無意識の領域にアクセスし、被験者が自分自身の中で深く埋もれている感情や記憶を探るための手法としても使用されます。これにより、トラウマや過去の体験に対する認識を変えることが可能です。

 

古典催眠と現代催眠の違い

古典催眠と現代催眠(エリクソニアン催眠)との主な違いは、そのアプローチにあります。古典催眠は、施術者が被験者を支配する権威主義的なスタイルであるのに対し、現代催眠はクライアントの無意識を尊重し、柔軟な暗示を用いることが特徴です。現代催眠では、クライアントが自分自身で解決策を見つけるようにサポートし、暗示も間接的であることが多いです。
 

結論

古典催眠は、催眠術の初期の段階で確立された強力な技法であり、今でも多くの場面で応用されています。その直接的な暗示と深いトランス誘導は、特定の目的や治療において有効であることが確認されています。しかし、現代の柔軟なアプローチと比較すると、その権威的なスタイルや固定された手法は、すべての状況に適しているわけではありません。