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催眠術において左脳はどのような役割を担っているのか

このテーマは、右脳の話題に比べて誤解されやすく、軽視されがちです。

左脳は催眠の邪魔者。左脳は止めるべきもの。

そのように語られることもありますが、これは正確ではありません。

実際の催眠現場では、左脳は極めて重要な役割を担っています。
本稿では、
左脳が本来どのような機能を持っているのか。
催眠状態において左脳はどう変化するのか。
左脳を排除せず、どのように活かしているのか。
これらを、実践と脳機能の両面から整理します。
はじめに。
人は日常生活の大半を、左脳優位で過ごしています。
考える。
判断する。
比較する。
言語化する。
これらはすべて左脳の得意分野です。
そのため、催眠術を語る際に左脳を無視することはできません。
催眠とは、左脳を止める技術ではなく、左脳の役割を一時的に変化させる技術です。

左脳とは何を担っている脳なのか。
左脳は、主に以下のような処理を担っています。
言語処理。
論理的思考。
因果関係の理解。
時間の順序。
分析と評価。
左脳の特徴は、物事を分解し、整理し、意味づけることです。
これは人間社会を成立させるために不可欠な能力です。
催眠術に否定的な人ほど、この左脳機能が強く働いています。
左脳が優位な状態とは。
左脳が優位な状態では、人は常に次のような姿勢を取ります。
これは正しいか。
矛盾していないか。
根拠はあるのか。
これらは知的で健全な姿勢です。
問題は、この状態を緩められないことにあります。
左脳が常に前面に出ていると、体感や感覚の変化が起きにくくなります。
催眠術における誤解。
催眠では左脳を黙らせる。
考えさせないようにする。
こうした説明は分かりやすいですが、実態とは異なります。
左脳は無理に止めようとすると、逆に強く抵抗します。
特に否定的な人ほど、
止められそうになる。
コントロールされそうになる。
と感じた瞬間に、左脳の防衛機能が最大化します。
催眠における左脳の本当の役割。
催眠術における左脳の役割は、大きく三つに分けられます。
安全確認。
意味づけ。
状態の正当化。
この三つが満たされない限り、深い催眠状態は成立しません。

左脳は催眠の安全装置

左脳は、危険を察知する装置でもあります。
怪しい。
危険かもしれない。
信用できない。
こう判断すると、左脳は強くブレーキをかけます。
そのため、催眠誘導の初期段階では、左脳を納得させる説明が不可欠です。
今から何をするのか。
どういう状態になるのか。
何が起きて何が起きないのか。
これらを丁寧に説明することで、左脳は警戒を緩めます。
左脳が納得しないまま進む催眠は、ほぼ確実に失敗します。
左脳は入口の管理人。
左脳は、無意識への入口を管理しています。
納得できない情報は通さない。
理解できないものは拒否する。
この性質があるため、催眠では理屈が重要になります。
ここで言う理屈とは、科学的証明ではありません。
本人が「まあ、それなら大丈夫か」と思える説明です。
この納得が生まれた瞬間、左脳は一歩下がります。
左脳が下がるとはどういうことか。
左脳が下がるとは、停止することではありません。
監視モードから待機モードに移行する状態です。
危険はない。
無理は起きない。
観察していればよい。
この判断が出ると、左脳は前面から一歩引きます。
この状態が、催眠が成立する前提条件です。
左脳と評価の関係。
左脳は常に評価を行っています。
できているか。
正しいか。
失敗していないか。
催眠中に評価が続くと、体感は生まれません。
そのため催眠誘導では、
成功も失敗もない。
起きても起きなくても良い。
という枠組みを作ります。
これは右脳のためだけでなく、左脳を休ませるための配慮です。
左脳は後付けの説明係。
催眠体験の多くは、
理由が分からない。
説明できない。
という形で起きます。
その後、人は必ず左脳で意味づけを行います。
今のはこういうことだったのだろう。
この作業が行われないと、人は体験を否定します。
左脳は、体験を現実として定着させる役割を担っています。
左脳があるから変化が持続する。
一時的な体感だけなら、右脳優位でも起きます。
しかし、
納得。
理解。
解釈。
が伴わない変化は、長続きしません。
左脳は、
なぜ変わったのか。
どうすれば再現できるのか。
を整理します。
これにより、催眠による変化が日常に持ち帰られます。
否定的な人ほど左脳が重要。
否定的な人に対して、
感じてみてください。
考えないでください。
という誘導は逆効果です。
このタイプの人ほど、左脳を尊重する必要があります。
理屈を与える。
説明を省かない。
判断権を本人に残す。
こうした対応によって、左脳は協力者に変わります。
左脳は敵ではない。
催眠術において、左脳は邪魔者ではありません。
むしろ、
安全を守り。
体験を現実に落とし込み。
変化を維持する。
この重要な役割を担っています。
左脳を排除しようとする催眠は、
不安定で。
再現性が低く。
否定されやすい。
という結果を招きます。
左脳と右脳の関係。
催眠状態とは、
右脳だけ。
左脳だけ。
のどちらかではありません。
左脳が納得し、静かに待機し、
右脳が体感を担う。
この役割分担が成立した状態です。
 

催眠術における左脳の役割を正しく理解すると、催眠がより安全で再現性の高い技術であることが見えてきます。

左脳は、
止めるべきものではなく。
騙すべきものでもなく。
理解し、協力してもらうべき存在です。
催眠とは、左脳と右脳の対立ではありません。
両者が適切な位置に収まったとき、人は自然に状態を変えます。
そのバランスを整えること。
それこそが、実践的な催眠術の本質です。