HOME | 催眠術スクール | 催眠術において右脳はどのような役割を担っているのか

催眠術スクール&催眠術カフェ東京|催眠術体験できる場所
   

催眠術において右脳はどのような役割を担っているのか

このテーマを、誇張や神秘化を避け、現場感覚と脳機能の両面から整理します。
 

催眠術の説明では、
潜在意識。
無意識。
イメージ。
といった言葉が頻繁に使われます。
その流れで、
右脳=無意識。
左脳=意識。
という単純な図式で語られることも多くあります。
しかし実際には、そこまで単純な話ではありません。
それでもなお、催眠術において右脳が重要な役割を果たしているのは事実です。

右脳がどのような情報処理を担っているのか。

なぜ催眠状態では右脳的処理が前面に出やすくなるのか。

催眠誘導と右脳の関係は何なのか。

これらを段階的に解説します。
右脳とは何をしている脳なのか。
右脳は、左脳と比べて以下のような特徴を持つとされています。
全体把握。
空間認知。
イメージ処理。
感情的ニュアンスの理解。
非言語情報の処理。
ここで重要なのは、右脳は「考えない脳」ではないという点です。
右脳もまた、高度な処理を行っています。
ただしその処理は、
言語化されにくい。
順序立てにくい。
理由を説明しにくい。
という性質を持っています。
催眠体験でよく聞かれる、
理由は分からないけどそう感じた。
考える前に体が反応した。
といった表現は、右脳的処理が前面に出ている状態と一致します。
左脳優位の状態とは何か。
日常生活の多くは、左脳優位で進行します。
分析。
判断。
比較。
評価。
これらは左脳が得意とする処理です。
否定的な人ほど、催眠中もこの状態を維持しようとします。
今の言葉は正しいか。
本当に起きているのか。
騙されていないか。
こうした思考は、左脳の活動を活発に保ちます。
左脳が強く働いている間は、右脳的な体感処理が前面に出にくくなります。
そのため、催眠は「考えを止める」のではなく、「考えの比重を下げる」と表現されます。
催眠状態とは右脳だけの状態ではない。
ここで一つ重要な誤解を正します。
催眠状態=右脳だけが働いている。
これは正確ではありません。
実際には、
左脳の活動が弱まり。
右脳的処理が相対的に前面に出る。
という状態です。
左脳が完全に止まることはありません。
むしろ、
左脳が静かに背景に回り。
右脳が主役になる。
そのようなバランスの変化が起きています。

右脳とイメージの関係

催眠誘導では、イメージを用いることが多くあります。
風景を思い浮かべる。
体の感覚を想像する。
色や重さを感じる。
これらの処理は、右脳の得意分野です。
重要なのは、イメージが「嘘」や「作り物」ではないという点です。
脳は、
実際に見たもの。
想像したもの。
これらを完全には区別していません。
右脳は、イメージされた情報を現実に近いものとして処理します。
その結果、
想像した重さが実感に変わる。
イメージした安心感が身体反応に影響する。
といった現象が起きます。
右脳は感覚の翻訳者。
右脳は、言語化されない感覚情報を扱います。
温度感覚。
距離感。
身体の内側の感覚。
これらは、言葉で説明しようとすると途端に曖昧になります。
催眠術では、
説明よりも体感。
理解よりも感覚。
が優先されます。
このとき、右脳が中心的な役割を果たします。
だからこそ、催眠体験後に、
うまく説明できない。
言葉にすると違う。
という感想が多く聞かれます。
右脳と感情の関係。
感情は、論理では動きません。
怖いから怖い。
安心だから安心。
そこに理由が後から付け足されます。
感情処理には、右脳と大脳辺縁系の連携が関わっています。
催眠誘導で安全感が重要視されるのは、心理的理由だけではありません。
安全だと感じたとき、右脳的処理がスムーズに働き始めます。
逆に、
評価されている。
試されている。
と感じると、左脳が優位になり、右脳は引っ込みます。
なぜ否定的な人ほど入りにくいのか。
否定的な人は、
理解しよう。
見抜こう。
判断しよう。
という姿勢を強く持っています。
これは左脳的処理を強化します。
催眠は理解の技術ではなく、体感の技術です。
右脳が働く余地を残さなければ、体感は生まれません。
否定派が催眠に入りにくい理由は、意志の強さではなく、処理スタイルの問題です。

右脳はコントロールされない

重要な点として、右脳は外部から操作される存在ではありません。
催眠術師が右脳を操っているわけではないのです。
誘導で行っているのは、
言葉のリズム。
注意の向け先。
評価の解除。
これらによって、本人の脳が自然に処理モードを切り替えるのを助けているだけです。
右脳は命令されると働きません。
許可されると働きます。
日常における右脳的状態。
催眠は特別な状態ではありません。
右脳が前面に出る瞬間は、日常にも数多く存在します。
音楽に没頭しているとき。
景色に見とれているとき。
ぼんやりしているとき。
このとき、人は深く考えていません。
しかし、感じています。
催眠術は、この状態を意図的に引き出しているに過ぎません。

右脳と変化の関係

行動変容は、論理だけでは起きません。
分かっているけど出来ない。
この状態は、左脳が理解しているが、右脳が納得していない状態です。
催眠術では、右脳レベルでの納得を促します。

理由は分からないがやれる。
自然に選択が変わる。
といった変化が起きます。
右脳を鍛える必要はない。
最後に強調しておきたい点があります。
催眠術を使うために、右脳を鍛える必要はありません。
右脳は、誰もが日常的に使っています。
ただ、
評価。
分析。
否定。
これらで覆い隠されているだけです。
催眠とは、右脳を新たに作る技術ではなく、元々ある働きを邪魔しない技術です。
 
催眠術における右脳の役割を理解すると、催眠が特別な能力や神秘的な力ではないことが分かります。
右脳は、
感じる。
受け取る。
全体を捉える。
その働きが前面に出たとき、人は自然に状態を変えます。
催眠術とは、右脳を信じさせる技術ではありません。
右脳が働ける環境を整える技術です。
その視点で見ると、催眠は誰にとっても身近で、再現性のある人間の機能だと理解できるはずです。