ワクワク脳を作る催眠術師の潜在意識の使い方
私たちの脳は、思考よりも感情に従って動いている。
どんなに頭で理解しても、心が動かなければ体は動かない。
逆に、根拠がなくても「面白そう」「やってみたい」と感じた瞬間に、人は自然に動き出す。
そのとき、脳の中ではワクワクというエネルギーが生まれている。
催眠術師は、このワクワクを自在に生み出す方法を知っている。
それは潜在意識の仕組みを理解し、意識と無意識のバランスを整えることから始まる。
潜在意識は現実を映す鏡
潜在意識とは、私たちが普段意識していない心の領域のことを指す。
人間の行動の九割以上はこの潜在意識によってコントロールされていると言われる。
言葉遣い、姿勢、表情、人間関係、選択の癖。
すべてが過去の経験や記憶に基づいて無意識に決定されている。
だからこそ、現実を変えたいと思うなら、まずこの無意識の仕組みを変える必要がある。
潜在意識は鏡のようなもので、内側の思考や感情を外の現実として映し出す。
自分が「できない」「怖い」「うまくいかない」と信じていれば、その通りの現実が再生される。
反対に「できる」「楽しい」「進んでいる」と感じていれば、現実もその方向に動く。
つまり、外側の出来事を変えるのではなく、内側の感じ方を変えることが鍵になる。
催眠術師はこの仕組みをよく理解している。
人の中にある「無意識の前提」を書き換えることで、その人の現実が自然と変化する。
外側を努力で変えるのではなく、内側を整えることで行動が変わる。
それが催眠の本質であり、潜在意識を使いこなす第一歩である。
ワクワク脳とは何か
ワクワク脳とは、感情が未来に向かって開かれている状態のことだ。
人は不安や恐れを感じると、脳が防衛モードに入り、行動が制限される。
しかし、ワクワクしているときは、脳が拡張モードに入り、自由な発想と行動が生まれる。
つまり、脳の状態によって人生の選択が変わる。
催眠術師は、ワクワクのスイッチを意図的に入れることができる。
それは「感じる」力を鍛えているからだ。
多くの人は、感情を押さえ込みながら生きている。
だが、感情こそが潜在意識の言葉であり、そこに真実の答えがある。
ワクワク脳は、ポジティブ思考とは違う。
無理に元気を装うことではなく、自然な興味や好奇心を大切にすることだ。
自分の中に小さな「いいな」と思う感覚を感じ取ること。
それを積み重ねていくことで、潜在意識が「動いていい」と判断し、行動エネルギーが高まっていく。
潜在意識を味方にする方法
潜在意識を味方につけるには、いくつかの基本ルールがある。
まず一つ目は「否定形を使わない」ことだ。
潜在意識は「~しない」という情報を理解できない。
「失敗したくない」と思えば、「失敗」のイメージを脳に刻み込んでしまう。
だから、常に「成功する」「うまくいく」「安心している」といった肯定の言葉を使う。
二つ目は「感情をセットで覚える」こと。
潜在意識は言葉よりも感情を優先する。
「できる」と言葉で言っても、心が不安なら不安が現実化する。
逆に、言葉が弱くても感情が明るければ、現実も明るくなる。
催眠術師は、言葉と感情を一致させることに細心の注意を払う。
三つ目は「今この瞬間を使う」こと。
潜在意識には時間の概念がない。
「いつかできる」ではなく、「今できている」と感じることで初めて潜在意識が動く。
催眠の暗示が「あなたはもう変わっている」「今、整っていく」という現在形で語られるのはそのためである。
ワクワク脳を育てる日常習慣
ワクワク脳は、日々の積み重ねで育つ。
朝起きた瞬間に「今日は面白いことが起きる」とつぶやくだけで、脳は「面白いことを探す」モードになる。
現実そのものが変わるのではなく、見え方が変わるのだ。
脳は指令された方向の情報を自動的に探し始める。
眠る前の時間も重要だ。
眠る直前は潜在意識の扉が開いている。
「明日はうまくいく」「私は満たされている」と心で唱えるだけで、翌日の現実が変わってくる。
これは単なる気分の問題ではなく、脳の記憶システムを利用した再プログラミングである。
そしてもう一つ大切なのは「小さな変化を喜ぶ」こと。
潜在意識は、繰り返される感情を現実として強化していく。
できたことを大げさに喜ぶことで、脳は「これをもっと続けたい」と感じる。
それが行動のモチベーションになり、やがて大きな現実の変化につながる。
抵抗を超えるということ
潜在意識を変えようとすると、必ず抵抗が起こる。
それは古い思考や感情が「今まで通りでいたい」と反発しているからだ。
多くの人はこの段階でやめてしまうが、抵抗は変化の前兆である。
不安や違和感を感じるときこそ、新しい自分が生まれようとしている証拠だ。
催眠術師は、抵抗を恐れずに「通過する」ことを知っている。
そこを越えた先に、ワクワク脳の安定した状態が待っている。
まとめ
潜在意識は、私たちが日常的に使っている最も強力な現実生成装置だ。
そこに何を入れるかで、現実の形は決まる。
恐れを入れれば恐れが再生され、ワクワクを入れればワクワクの現実が広がる。
すべてはただの投影であり、正しくも間違ってもいない。
催眠術師は、この装置を意識的に操作しているだけである。
その方法は特別ではない。
誰でも今日からできる。
朝の一言、夜の思考、日中の感情を少しずつ整えることで、潜在意識は静かに方向を変える。
そして、気づけば行動が変わり、人間関係が変わり、現実が変わっていく。
ワクワク脳とは、特別な才能ではなく、生き方の習慣である。
その習慣を身につけたとき、あなたの毎日は静かに光を帯びていく。
そして気づいたとき、もう努力は必要なくなっている。
潜在意識があなたを動かし、自然とワクワクする方向へと導いてくれるだろう。