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催眠術にかかりやすい人

催眠術は人によって効果に差があると言われます。

同じ言葉や同じ誘導をしても、すぐに深い催眠に入る人もいれば、なかなか変化を感じられない人もいます。
この違いは単に「かかる、かからない」という二分法ではなく、性格や集中力、体験の受け止め方など複数の要因が関係しています。
ここでは、催眠術にかかりやすい人の特徴を整理しながら、その背景や理由を掘り下げていきます。

催眠における基本的な仕組み

催眠は「暗示」によって意識のあり方を変える心理現象です。
リラックスしながら注意を向けることで、普段は無意識に処理されている感覚や思考にアクセスしやすくなります。
その際に、催眠術師の言葉や声の調子が意識の流れを整える役割を果たします。
かかりやすさの違いは、このプロセスにおいてどれだけスムーズに注意を集中させ、受け入れやすい心理状態を作れるかに関わっています。

素直に受け入れやすい人

もっともよく言われる特徴は「素直さ」です。
素直とは盲目的に信じることではなく、一度相手の提案を受け取ってから自分の体験として試してみる姿勢を指します。
「とりあえずやってみよう」と思える人は、暗示の内容に抵抗せず体験を広げやすいのです。
逆に「本当に効くのか」「失敗したら恥ずかしい」と考える人は、意識の中に抵抗が生じてしまいます。
この抵抗が集中を妨げ、催眠状態に入りにくくなるのです。

イメージ力が豊かな人

催眠では、言葉からイメージを思い描く力が重要です。
「手が重くなっていく」と言われたときに、実際に手が鉛のように沈む感覚を想像できる人は、より深くその感覚を体験できます。
イメージ力は必ずしも芸術的な才能を意味するのではなく、日常的に空想したり物語に没頭したりする習慣とも関係しています。
読書や映画、音楽などで感情移入しやすい人は、暗示の言葉から自然に体験を広げやすい傾向があります。

集中力が高い人

催眠は注意のコントロールです。
一つの対象に意識を集める力が強い人は、誘導にスムーズに入ります。
スポーツ選手や音楽家など、特定の動作に没頭する経験が多い人は、集中力を発揮することで催眠状態を深めることができます。
一方で、考えがあちこちに飛びやすい人や、常に頭の中が忙しい人は、催眠に入るまでに時間がかかることがあります。
ただしこれは訓練によって改善することが可能です。

リラックスしやすい人

催眠は緊張状態では成立しにくいものです。
身体や心をゆるめられる人は、自然と受け入れ態勢が整います。
深呼吸や軽いストレッチで気持ちを切り替えられる人、またはリラクゼーション体験に慣れている人は、催眠誘導がスムーズです。
反対に「力を抜こう」と意識するあまりかえって緊張してしまう人は、最初の段階でつまずきやすくなります。

好奇心が強い人

新しい体験を楽しもうとする気持ちは、催眠において大きな味方です。
「何が起こるのだろう」と思いながら進むことで、感覚を細かく拾い上げやすくなります。
この柔軟な姿勢は、暗示を自然に受け入れる土壌となります。
逆に、過度に結果を期待したり「必ずこうなるはず」と決めつけてしまうと、実際の体験との差に違和感を覚え、集中が途切れることもあります。

催眠術にかかりやすい状況

人の状態によってもかかりやすさは変わります。
疲れているときや睡眠不足のときは、意識がややぼんやりするため、暗示が入りやすくなることがあります。
また、信頼できる人の前では安心感が高まり、催眠状態に入りやすくなります。
一方で、人前で恥ずかしいと感じているときや、強い緊張下では抵抗感が増してしまい、効果が弱くなることがあります。
かかりやすさと優劣は関係ない
催眠に入りやすい人は確かに存在しますが、それが優れていることを意味するわけではありません。
かかりにくい人にも別の強みがあります。
たとえば論理的に物事を整理できる人は、催眠状態を研究的に理解する力があります。
また、抵抗を感じやすい人は、自分の境界を大切にする感覚が強いとも言えます。
つまり、催眠は「誰でも異なる形で体験できるもの」であり、かかりやすさは単なる特徴に過ぎません。

訓練による変化

催眠は一度の体験で固定されるものではなく、繰り返しによってかかりやすくなることがあります。
最初は浅い催眠しか体験できなくても、経験を重ねるうちに暗示に慣れ、集中力やイメージ力が向上していきます。
特に自己催眠の練習は、自分自身でリラックスと集中の感覚を調整できるようになり、効果を高める助けとなります。
まとめ
催眠術にかかりやすい人の特徴は、素直さ、イメージ力、集中力、リラックスのしやすさ、そして好奇心の強さにあります。
これらは生まれつきの性質だけでなく、生活習慣や心の持ち方にも影響されます。
かかりやすさは優劣ではなく単なる傾向であり、訓練や体験によって誰でも変化していきます。
催眠を通じて大切なのは「どう感じるかを素直に受け止めること」です。
それが結果として、深い催眠体験につながっていくのです。
 

催眠術にかかりやすい血液型ランキング

血液型と催眠感受性の意外な関係

血液型占いのように科学的根拠があるわけではありません。
それでも日本では血液型と性格を結びつけて語る文化が根強くあります。
今回はあくまで俗っぽい視点から、血液型ごとの「催眠にかかりやすそうな傾向」をランキング形式で紹介します。
自分や友人の血液型を思い浮かべながら楽しんでみてください。

1 A
真面目で几帳面なA型は、催眠術との相性が抜群です。
「言われたことを正しくやろう」とする素直さが暗示を受け入れる力につながります。
深呼吸や目を閉じるといった簡単な誘導にもきちんと従うため、自然に催眠状態へ移行しやすいのです。
実際にセッションでは短時間で深い催眠に入るケースが多く見られます。
 
2 B
好奇心旺盛で自由な発想を持つB型は、面白さに惹かれて催眠術を体験するタイプです。
「本当に手が動かなくなるの?」と試しながらも、遊び心で受け入れてしまうのが特徴です。
実験気分で暗示を楽しむうちに、予想以上に深い催眠に入ってしまうことがあります。
ノリの良さがかかりやすさを後押しします。
 
3 AB
冷静で観察眼の鋭いAB型は、一見かかりにくそうに見えます。
ところが実際には「今、自分の体がどう変化しているのか」を分析しながら体験を楽しむ傾向があります。
入り口は慎重ですが、一度信じてみようと思った瞬間に深く入るケースが多いのです。
理性と感受性を行き来する独特の反応を見せるのがAB型です。
 
4 O
社交的でエネルギッシュなO型は、場を盛り上げるのが得意です。
しかし「本当にかかると恥ずかしい」と思って抵抗を感じることがあります。
信頼できる人や安心できる環境であれば、その強い集中力を発揮して深い催眠に入ることも可能です。
場の空気を読む力があるため、周囲の影響を大きく受けるタイプとも言えます。
血液型ランキングはあくまで遊び心
ここで紹介した血液型別ランキングは、あくまで俗っぽい分類に過ぎません。
科学的に血液型と催眠感受性が結びついているわけではありません。
それでも「自分はA型だからかかりやすいかも」「B型だから試したら楽しめそう」と考えることで、体験の姿勢そのものが変わることがあります。
血液型をきっかけに、催眠術という不思議な世界に一歩踏み出してみてください。
 

催眠術にかかりやすい性格タイプランキング

素直さと想像力がカギになる

催眠術は誰にでも可能性がありますが、入りやすい人には一定の特徴があります。
性格の傾向によって、暗示の受け止め方や集中の仕方が変わるのです。
ここでは性格ごとの「催眠にかかりやすいタイプ」をランキング形式で紹介します。
自分の性格と照らし合わせながら楽しんでみてください。

1 素直タイプ
人の言葉を一度受け入れて試してみる素直な人は、催眠術との相性が抜群です。
「とりあえずやってみよう」と考えるため、余計な抵抗が生まれません。
深呼吸や目を閉じるといった誘導にも自然に従えるため、最も深い催眠に入りやすいタイプです。
2 空想タイプ
想像力が豊かで、物語やイメージの世界に没頭できる人は暗示を体感しやすい傾向にあります。
「手が重くなる」と言われれば本当に重さを感じ、「風船で浮く」と言われれば色や形までイメージできます。
頭の中の映像や感覚をすぐに体に反映できるのが強みです。
3 集中タイプ
一つのことに没頭できる人は、催眠術でも強い力を発揮します。
スポーツや勉強で集中した経験がある人は、そのまま催眠の誘導にも入りやすいのです。
声だけに意識を向けられるため、外部の雑音を気にせず深く沈むことができます。
4 リラックスタイプ
切り替えがうまく、心と体をすぐにゆるめられる人は、催眠状態に自然と入りやすい傾向があります。
深呼吸や体を預けるだけで余分な緊張が抜けるため、暗示がスムーズに作用します。
セラピーやヒーリングで効果を感じやすい人もこのタイプに多いです。
5 好奇心タイプ
新しいことにワクワクできる人は、催眠を楽しむ気持ちが強く、結果として暗示を受け入れやすくなります。
「本当に動くのかな」と笑いながら試すうちに、そのまま深く入ってしまうこともあります。
疑うより先に試す姿勢が、体験を広げるポイントです。
性格から見える催眠の入口
催眠術にかかりやすい性格は、素直さ、空想力、集中力、リラックス力、好奇心といった要素に整理できます。
自分がどのタイプに当てはまるかを意識することで、より深い体験を得られるかもしれません。
催眠術は優劣ではなく、その人の性格と相性の問題です。
楽しみながら自分のタイプを確かめてみてください。
 

催眠術にかかりやすい人を動物占い風に分類

性格イメージで楽しむ催眠タイプ診断

動物占いは性格を動物にたとえて分かりやすくしたものです。
催眠術にかかりやすい人の特徴も、同じように動物のイメージに当てはめてみると理解しやすくなります。
ここでは「素直さ」「空想力」「集中力」「リラックス」「好奇心」という要素を動物に置き換えて紹介します。
自分や友人の性格を重ねながら楽しんでみてください。

こじかタイプ 素直に受け入れる
こじかのように人懐っこく、相手を信じやすいタイプです。
「言われた通りにやってみよう」と思えるので、催眠術の暗示がスッと入りやすい傾向があります。
周囲の雰囲気に左右されやすいですが、安心できる環境なら一番深く入るタイプです。
ペガサス型 空想力で羽ばたく
空想や想像の世界に飛び込むのが得意なタイプです。
「手が重くなる」と言われれば、頭の中で映像を浮かべてその感覚を実際に感じられます。
ペガサスのように自由に空を飛ぶように、暗示を鮮やかに体験できるのが特徴です。
ライオン型 集中力で一気に入る
一点に狙いを定めたときの集中力は圧倒的です。
スポーツや仕事でも集中して力を出すライオン型は、催眠でも同じように深く入りやすいのです。
ただし気分が乗らないときは全く入らないという極端さもあります。
ねこ型 リラックスして自然に入る
気ままでリラックス上手なねこ型は、体をゆるめることが得意です。
深呼吸や姿勢を整えるだけで自然に力が抜けていきます。
のんびりした性格が催眠術とよく合い、無理をせずスムーズに暗示を受け取ります。
さる型 好奇心でどんどん試す
興味を持ったことにはすぐ飛びつくのがさる型です。
「本当にできるのか?」と楽しみながら挑戦するうちに、暗示にかかってしまうことがあります。
笑いながら入っていくユニークさがあり、エンターテイメント向きの反応を見せます。
動物イメージで楽しむ催眠タイプ
催眠術にかかりやすい性格は、人によって異なる要素が強みになります。
それを動物にたとえることで、自分のタイプを気軽に知ることができます。
占い感覚で楽しみながら、催眠という不思議な体験に親しんでみてください。
 

催眠術にかかりやすい星座ランキング

十二星座で見る暗示との相性

星座占いは性格や運勢を語る定番の切り口です。
催眠術との相性も星座ごとの傾向に当てはめてみると、意外な特徴が見えてきます。
ここでは火・地・風・水という四つのエレメントに分けながら、十二星座の催眠にかかりやすいタイプを詳しく解説します。
自分の星座を思い浮かべながら楽しんでみてください。

火の星座 牡羊座 獅子座 射手座
火の星座は情熱的で行動力があるタイプです。
催眠術にかかるときも勢いで一気に入りやすい傾向があります。
「やってみよう」と思った瞬間に暗示に引き込まれ、深く沈むことも少なくありません。
ただし集中力が持続しにくく、気が散ると効果が途切れやすいのも特徴です。
短時間で強く反応し、持続はやや短いのが火の星座の傾向です。
地の星座 牡牛座 乙女座 山羊座
地の星座は堅実で慎重なタイプです。
最初は「本当に効くのか」と疑いを持つことが多いため、入り口ではかかりにくく見えます。
しかし一度信じてみようと思うと、その安定感で深く催眠に入れるのが強みです。
現実的で地に足のついた性格が、暗示を受け止めるときに安定した反応を生みます。
継続的に練習すると一番安定した催眠状態を体験しやすいのが地の星座です。
風の星座 双子座 天秤座 水瓶座
風の星座は知的で分析的な性格です。
「これはどういう仕組みなのか」と考えながら受けるため、最初は暗示に入りにくいことがあります。
しかし分析が満足すると、逆に自分の反応を観察しながら催眠を楽しめるのが特徴です。
独自の感覚で暗示を解釈し、ユニークな反応を示すことも多いです。
研究者のように自分の体験を記録する人が多いのも風の星座ならではです。
水の星座 蟹座 蠍座 魚座
水の星座は感受性が豊かで情緒的です。
暗示の言葉に強く共鳴し、イメージをすぐに体で感じやすいのが特徴です。
「手が重くなる」と言われれば本当に沈むように重く感じ、「風船で浮く」と言われれば鮮やかに浮遊感を体験します。
特に魚座は想像力が豊かで、深いトランス状態に入る人が多い傾向があります。
涙が出たり感情が動いたりする反応が起こりやすいのも水の星座です。
星座別に見る催眠との相性
火の星座は勢いで一気に入るタイプ
地の星座は慎重だが安定感のあるタイプ
風の星座は分析を経て独自に楽しむタイプ
水の星座は感受性豊かで深く共鳴するタイプ
星座は占いの枠組みにすぎませんが、自分の傾向を知るきっかけになります。
どの星座も異なる強みを持ち、それぞれの形で催眠体験を深めていくことができます。
 

催眠術にかかりやすいのは猫派?犬派?

ペットタイプでわかる暗示の相性

人は好きな動物やペットのタイプによって、性格や行動の傾向が表れると言われます。
猫派か犬派か、それとも小鳥やハムスター派か。
実はその違いが催眠術にかかりやすいかどうかにも影響するのです。
ここではペットタイプごとの特徴を通じて、催眠との相性を見ていきます。

犬派 忠実で素直に入りやすい
犬が好きな人は、一般的に誠実で素直な性格と言われます。
催眠の場面でも「言われたことをやってみよう」という姿勢を自然に持ちやすく、暗示にスムーズに入っていきます。
リラックスよりも「指示に従う」意識が強く働くため、素直さがそのまま催眠感受性につながります。
猫派 自由でリラックスして入る
猫派の人は、自分のペースを大事にしながらもリラックスするのが得意です。
催眠の誘導で「椅子に体をあずけて」と言われると、自然に肩の力を抜くことができます。
ただし興味が持てないときは全く反応しないなど、気分による差が大きいのも猫派の特徴です。
小鳥派 空想力が豊かでイメージに強い
小鳥が好きな人は、自由や軽やかさを好む傾向があります。
想像力が豊かで、空を飛ぶイメージや解放感を心地よく感じやすいため、暗示に対して鮮やかなイメージ反応を示します。
「腕に風船がついて浮き上がる」という暗示を特に体験しやすいタイプです。
ハムスター派 集中と没頭で入っていく
ハムスターや小動物を好む人は、観察力や集中力が高い傾向があります。
細かいことに注意を向けられるため、催眠誘導の一つひとつの言葉を丁寧に追いかけることができます。
その集中が深まり、気づいたときには催眠状態に入っていることが多いタイプです。
ペットタイプと催眠の相性
犬派は素直さ、猫派はリラックス、小鳥派は空想力、ハムスター派は集中力。
どのペットタイプにも催眠に入りやすい要素があります。
好きな動物を通して、自分の心の傾向を知るきっかけにしてみてください。
 

催眠術にかかりやすい人 

研究・論文からの引用と考察

研究知見から見る「催眠かかりやすさ」科学的根拠を交えて
催眠かかりやすさ(hypnotizabilityhypnotic susceptibility)は、個人差のある特性として、多くの研究者によって検討されてきました。これを支える生理的、認知的、性格的要因について、近年の論文を中心に紹介します。

1. 催眠感受性と脳・神経メカニズムの関係

近年の研究では、催眠感受性が脳の構造・機能と関連する可能性が指摘されています。たとえば、催眠感受性の高い(“highs”と呼ばれる)人々は、運動皮質(motor cortex)の興奮性が高めである、あるいはイメージと知覚/行動との機能的等価性(imagery–perception / action equivalence)が強い、という差異が報告されています。
また、小脳(cerebellum)の灰白質量の低下が催眠感受性の高い人に認められるという報告もあります。これは、小脳による予測モデル制御や感覚運動統合の緩さが、暗示に対する受容性を高める可能性と結びつけられています。
こうした脳機能上の違いは、「イメージを実際の感覚に近づけやすい体験構成能力」や「反応の無意識性・自動性(effortlessnessinvoluntariness)」と連動する仮説が提案されています。PMC+2サイエンスダイレクト+2
 

2. 性格特性・認知傾向と催眠感受性の関連

吸収性(Absorption
吸収性(absorption)は、自分のイメージや内部体験に対して没入しやすい性格傾向のことを指します。Tellegenらによる吸収性尺度(Tellegen Absorption Scale, TAS)は、イメージ想起・感覚の内的疑似体験への没入傾向を測定するものです。ウィキペディア
多くの研究で、吸収性と催眠感受性には有意な相関が認められています。つまり、内的イメージに没入しやすい人は暗示をリアルに感じ取りやすく、催眠反応性が高くなりやすい傾向があるというのです。
 

その他の心理変数:自己受容性・注意集中・肯定的情動など

Kumar1996)は、「吸収性(absorption)」「受容性(permissiveness)」「解離的制御(dissociated control)」「内的プロセスへの注意(attention to internal processes)」といった特性が催眠感受性と関連するというモデルを提示しています。
Burger1981)は、コントロール感(locus of control)との関連を調べ、状況の受け止め方や自己統制性が暗示反応性に影響を与える可能性を示唆しています。サイエンスダイレクト
また、Spanos1989)の研究では、催眠感受性を予測する変数を複数(たとえば想像力、受動性、応答性傾向など)取り、因子分析を行った結果、「肯定的傾向(positive responsiveness)」という共通因子が浮かび上がったという報告もあります。
 

3. 催眠誘導・暗示応答の過程と知見

催眠誘導や暗示がどのように作用するか、そしてそれがなぜかかりやすさと関連するかを考える理論も複数提案されています。最近の系統的レビューでは、主な理論(状態説、社会認知説、統合型説など)を比較したものが報告されています。
このレビューでは、催眠応答には「主観的変化(perceptual, cognitive, 行動的変化)」「暗示効果の神経生理学的基盤」「主体の期待・関係性・信頼性」などが相互に関わっていると整理しています。サイエンスダイレクト
また、催眠感受性は「通常意識状態」での暗示反応性(waking suggestibility)と密接に関連するが、完全には重ならないという指摘もあります。即ち、催眠がない状態でも暗示を受けやすい性質が、その人の催眠応答性の素地になっている可能性がある、というものです。
 

4. 臨床応用・疼痛緩和などとの関係

催眠感受性が高い人は、暗示を用いた痛みコントロール(催眠鎮痛、suggestion for analgesia)において、より大きな効果を得やすいという報告があります。たとえば、Santarcangelo & Consoli2018)は、催眠感受性が高い人は、暗示によって痛覚処理系の脳結合性を変化させ、痛みの主観的知覚を低減する可能性を示唆しています。
ただし、催眠感受性が効果を「決定づける」わけではなく、期待(expectancy)、関係性(rapport)、提示の仕方(suggestion design)などが複雑に相互作用するという考え方が主流になりつつあります。
 

かかりやすい人 研究知見を交えた文章案 追記

近年の神経科学的研究は、催眠かかりやすさ(hypnotizability)が単なる主観体験の差異ではなく、脳・神経系の構造・機能レベルで違いを反映している可能性を示唆しています。たとえば、催眠感受性の高い人は、運動皮質(motor cortex)の興奮性が相対的に高いという報告があり、これは暗示による運動的表現や微細動作への感受性を高める要因になり得ると考えられています。
また、小脳灰白質量に差異があるという報告から、小脳を介した予測制御や感覚運動統合の調整性が、暗示受容性と関係している可能性も示唆されています。
心理的側面では、「吸収性(absorption)」という性格特性が、催眠感受性と強く相関することが古くから指摘されています。吸収性が高い人は、自己の内部イメージや感覚体験に没入しやすいため、暗示を「現実的な感覚」として受け取りやすくなります。
 
さらに、催眠感受性は注意集中力・内的注意志向・受け入れ性(permissiveness)・自己統制感といった心理的変数と複雑に関連しており、これらの因子を統合したモデルが研究者によって提案されています。たとえば、Kumar1996)は吸収性・受容性・注意による内的処理への関与が、催眠応答性を説明する要因として挙げられると述べています。
 
また、催眠利用の一つの臨床応用領域である「催眠鎮痛(suggestion for analgesia)」においては、催眠感受性が高い人ほど暗示による痛覚抑制効果が強くなるという報告もあります。Santarcangelo & Consoli2018)は、感受性の高い人では、暗示が痛みの知覚ネットワークに対する機能的結合性を変える可能性を指摘しており、催眠応答性と臨床応用効果とのつながりを示唆しています。
 
とはいえ、感受性そのものだけがすべてを決めるわけではありません。暗示の設計、期待(expectancy)、催眠者との関係性(rapport)などが複雑に絡み合って効果を左右するという見方が現在では主流です。複数の理論モデル(状態説・社会認知説・統合型仮説など)が並存しており、それぞれ異なる側面に光を当てています。