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世界に眠る“知られざる催眠現象”

しかし、世界には「催眠」という名前がついていないにもかかわらず、非常に似た意識変容の現象が数多く存在します。
それらは伝統や宗教、儀式や文化の中に溶け込むかたちで残されてきました。
本記事では、あまり知られていない「催眠術に類似する現象」を世界各地から紹介し、人間の意識がどれだけ多様に変化し得るのかを考察します。

 
世界には、催眠術とよく似た現象が数多く存在します。
それらは「催眠」とは呼ばれていなくても、意識の集中、身体の変化、無意識への影響など、共通する要素を持っています。
ここでは、一般にはあまり知られていない、催眠術に類似した世界の現象を紹介します。
催眠への理解が広がると同時に、人間の意識がどれだけ多様に変容するかを感じることができるはずです。
 

サマディ(インド)

インドのヨーガ文化における「サマディ」は、深い瞑想状態の一種であり、時間や感覚の認識が消えるほどの集中状態です。
外部の刺激に対して反応しなくなる点や、言葉による誘導なしでも深い無意識状態に到達する点で、深い催眠状態と似ています。
自己制御によって意識を変えるという点で、自己催眠とも重なります。
 

アゾーン(ロシア正教・神秘主義)

ロシアの宗教的儀式や神秘主義における「アゾーン」と呼ばれる状態は、集団での祈りや反復的な言葉の唱和によって意識が変化する現象です。
参加者はしばしば涙を流したり、身体が勝手に動くような体験をします。
これはトランス状態の一種であり、外部の言葉と集団の場によって意識が書き換えられるという点で、暗示と類似しています。
 

チャネリング(アメリカ・ニューエイジ文化)

チャネリングは、霊的存在とつながり、言葉を伝えるとされる現象ですが、チャネラー自身が「意識を明け渡す」とき、しばしばトランス状態になります。
このときの変性意識状態は、他者の言葉に強く反応する催眠状態と似ており、脳波もシータ波やデルタ波に近づくとされています。
催眠と霊的現象の境界が曖昧になる代表例です。
 

ズールーの戦士儀式(南アフリカ)

南アフリカのズールー民族には、戦士が戦いの前に自己暗示的な歌やリズムで興奮状態へと導かれる伝統があります。
この儀式では痛みを感じにくくなったり、超人的な集中力を発揮するとされており、身体的な自己催眠のような作用があると考えられています。
 

プラセボ宗教儀式(アマゾン・南米)

南米アマゾンの一部の部族では、病気や悩みを取り除くために、儀式中に「精霊の薬」だとされる液体を飲むことがあります。
実際には効果のない液体でも、参加者の多くが身体的な反応や変化を感じることがあります。
これは強い暗示による無意識反応であり、催眠的な効果と一致します。
 

タントラ儀式(チベット・ネパール)

タントラでは、呼吸・視覚・音・香りなど五感すべてを使って意識を拡張させる技術があります。
誘導者の声に集中し、身体を解放していくプロセスは、まさに催眠誘導と非常に似ています。
特に瞑想やマントラを重ねる部分は、カウント誘導と同じような効果を持ちます。
 

まとめ

世界には「催眠」とは呼ばれていなくても、意識が変性し、身体や感情に大きな影響を与える現象が数多く存在します。
宗教、伝統、儀式、医療、芸術など、文化が違っても人の意識には共通する反応の仕組みがあります。
催眠術はそうした普遍的な人間の性質を活用した技術の一つにすぎません。
それぞれの文化の中に眠る「催眠的な現象」を知ることで、催眠そのものへの理解もより深まっていきます。